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好きと名乗る権利。

バウムクーヘンの断面を眺めながら、その地層の境界線に潜りこもうと試みる。なだらかな曲線が生み出す不規則なひとつひとつの地層を、はがしたくてたまらなくなるのだけれど、ぺりーっと、日焼けした腕の皮をめくるような快感を得たことは未だかつてない。どうしても自分の指がスコップのようになって、ほじくるに近い感触になってしまう。だから「はがして食べるのが好き」なんてうそぶく自称バウム好きを、私は決して信じていない。